2010年06月06日

チャーリー・パーカー - ジャズ・アット・マッセイ・ホール

私がもっとも素晴らしいミュージッシャンと思っているアーティストは、やはりチャーリー・パーカーですね。
モダン・ジャズの神様です。
CDではなくて 30cmLP のころから、「チャーリー・パーカー・オン・ダイアル 完全版」の3枚組などの別テイクが含まれているレコードの「チュニジアの夜」「エンブレイサブル・ユー」「ヤードバード組曲」「オーニソロジー」などは、何度も何度も聞いたものです。

チャリー・パーカーの30cmLPは、まだ10枚以上持っていますけれど、その中でも「ジャズ・アット・マッセイホール」という私が大好きなレコードがあります。
1953年にカナダのトロントのマッセイ・ホールで行われた有名なライブです。

チャーリー・パーカー(as)
ディジー・ガレスピー(tp)
バド・パウエル(p)
チャールズ・ミンガス(b)
マックス・ローチ(ds)

バップの凋落期とはいえ、これだけの最強のメンバーが集まっての演奏
は、素晴らしいですよ。
パウエルは酒を飲んでいたとか、パーカーは練習用の安いアルトサックスを買って演奏したとか、混乱の極みだったらしいけれど、私は大好きな LP です。
チャーリー・パーカーを代表とする演奏をビ・バップというんですけれど、このマッセイホールでの演奏は、皆とてもリラックスしていてノリが良いんです。
パーカー(バード)の長いソロが聴けるのも良いですね。
ビ・バップの巨匠が好き勝手な演奏をしている感じで、気持ちが良いですね。
トランペットのディジー・ガレスピーも「ソルト・ピーナッツ」では大声で「ソルト・ピーナッツ!」連呼をしていますし、調子が良いんです。
ガレスピー、パーカーによる曲紹介も収録されていて、そんなことも嬉しくなる1枚です。
ジャケットが、オリジナルに戻っていて、私が持っているジャケットとは違うので、30cm LP を引っ張り出してきて撮影をしました。
全員が揃っている写真が良いんですよ。

Jazz at Massey Hall.jpg

このレコーディングについては、植草甚一さんのエッセイというか紹介文というかが思い出されます。
植草甚一さんの文章というのが、なんというか表現が難しくて、個人の好みを表に出すせいか、海外の記事の紹介なのか評論なのか、エッセイなのか、よくわからないんだけれど、非常に惹かれる文章なんですね。
植草さんはこんなことも書いています。

つまり、普通のジャズを求めている聴衆、あるいは、発展的なビ・バップについてゆけない聴衆を相手に、グループのメンバー達は、ある意味、ジャズの美学の一つとしての、『聴衆とソロイストの共存および格闘』を放棄してしまっている感があるのだ。
そのいい例に、パーカーが進歩的なビ・バップフレーズを吹いてみても、聴衆の反応はイマイチ盛り上がらない。ところが、そのフレーズの合間に通俗的なジャズのフレーズを引用してみせたところ、聴衆は大いに喜び盛り上がった。
これでは、一生懸命にプレイしようとするほうがなにやらアホ臭くなってくるのもわからないではない。
だから、パーカーも『なんでもかまわないや。通俗ファン向きにやってやろうというソロ』になった。
それはパーカーだけではなく、ガレスビーもそうだし、ふつう引用フレーズは使わないパウエルさえも<オータムノクターン>をソロのあいだに挟んでしまう始末なのだ。

これはイギリスの評論家が言っているのか、植草さんが言っているのかよくわからないんだけれど、確かに確信をついているんでしょう。
でも、乗っていることは確かで、このレコードが、ますます好きになってくるんです。
植草甚一さんは確か「コンフュージョン(混乱)」という言葉を使っていたと思うけれど、このレコードはまさにコンフュージョンの極みなんですね。

チャーリー・パーカーのレコードは、「チャリー・パーカー・オン・ダイアル」を始め、いろいろと持ってはいますけれど、マッセイホールはわすれられないLPです。 本当の読み方は「マッシーホール」でしょうけれど、あの頃このレコードに夢中になった世代では「マッセイホール」なんです。
「ダイアル・セッション」と呼ばれているレコーディングでは麻薬筆売人のムーチェが逮捕されたために麻薬が手に入らず禁断症状で睡眠薬と酒で意識朦朧とした状態で演奏をした「ラヴァーマン」という演奏もあります。
支離滅裂なんですけれど、惹かれる演奏です。
わずか34歳で亡くなるんですけれど、良いときの演奏の素晴らしさと、多くのエピソードで忘れられないジャズの巨人中の巨人です。
posted by ogu at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ | 更新情報をチェックする

2010年03月14日

マイルス・デイヴィスはやっぱりジャズの基本

マイルス・ディヴィスはごく初期からずっと聞き続けたジャズの巨人であり、ジャズの基本ですね。
どんどん演奏が変化(進化?)し続けたのですが、私には初期の演奏が忘れられませんね。

初心者向けの一枚といわれていますが、やはりこのリラクシンというアルバムが良いですね。
一曲目の「イフ・アイ・ワー・ア・ベル」で引き込まれます。
小学校の時のチャイムで皆さんも知っているでしょうがビッグ・ベンのメロディのピアノに続いて始まるマイルスのソロが何とも言えず気分が良くて和気あいあいとした感じの演奏です。

Relaxin'.jpg

マイルス・デイヴィスーtp
ジョン・コルトレーンーts
レッド・ガーランドーp
ポール・チェンバースーb
フィリー・ジョー・ジョーンズーds

これは1956年10月26日の「マラソンセッション」といわれるプレスティッジの有名なセッションで録音をされた4枚のレコードを毎年1枚ずつ発表した中の第2作目のレコードです。
1957年「クッキン」、1958年3月「リラクシン」、1960年2月「ワーキン」、1961年9月「スティーミン」という順に発売をしました。
みんな好きなレコードですけれど、この「リラクシン」は、スタンダードが中心の編成で良いですよ。ジョン・コルトレーンが良くてマイルス・デイビスは1曲(ウディング・ユー)を除いてすべてミュートでトランペットを吹いています。
コード進行もそんなに複雑ではないんですが、間が良いし、やはり正統派のメロディがきれいなジャズです。
この頃のマイルス・デイヴィスの名演といっていいですから、機会があったら是非聞いてみることをお勧めします。
1969年ころからは「イン・ア・サイレント・ウェイ」や「ビッチェズ・ブリュー」などのエレクトリックサウンドを取り入れたりして、まったく違う方向の音楽に変わってきましたが、私はやはり1950年代の演奏が好きですね。このころの映画で演奏をしたルイ・マルの「死刑台のエレベータ」の演奏も良いですよ。
posted by ogu at 15:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ | 更新情報をチェックする

2010年01月30日

アート・ペッパーはいつ聞いてもいいなぁ

昔からジャズを聞くのが好きで、一時は3千枚ほど30cm LP を集めましたが、90%以上はジャズ系のレコードでした。

特に1940年代中間から1970年代前半のジャズは好きでしたね。
チャリー・パーカーのアルトサックスは、大好きなんですが、面と向かって構えて聞かないといけないというような圧迫感を感じてしまいます。
仕事しながらとか、一杯やりながらとか、真剣にジャズを聞くときも、どんなときにも、1950年代に活躍をしたアート・ペッパーのアルトサックスが良いんですよ。
日本人好みと言う評判がありますが、確かに渋くて泣けますね。

何度も麻薬中毒でシナノン入りをしていて、音楽活動が中断しているのですが、復帰したときは美しい憂いを帯びた素晴らしい演奏をしました。 1956年に録音をした「モダン・アート」が特に好きで、ミディアム・テンポのブルースのメロディアスなきらめくようなアドリブは何度聞いてもほれぼれします。 アート・ペッパーの絶頂期の名演です。

モダンアート.gif

アート・ペッパー(as)
ラス・フリーマン(p)
ベン・タッカー(b)
チャック・フローレス(ds)

あとは、やはり1957年録音の「ミーツ・ザ・リズム・セクション」でしょう。
これはマイルス・ディヴィスのメンバー3人のリズム・セクション-すなわち、レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)との真剣勝負です。

1974年に復帰した後の1977年に初めて日本公演が行われました。
麻薬常習犯なのに良く入国出来たと思いますが、日本のファンが熱狂的な歓迎をしたんです。
「ストレート・ライフ」という自伝にそのときの感激が書かれていますし、LP のライナー・ノーツにも書かれていたと思います。
レッド・カーという曲を作曲したことについて「日本のファンのおかげで初めて赤い車を買うことが出来たんだ!」と書いていました。

ジャズに夢中だった頃は、「スウィング・ジャーナル」誌を毎月買っていて隅から隅まで読みましたが、アート・ペッパーのことは演奏の素晴らしさとともに、涙が出そうになるエピソードが沢山あって忘れられないんです。
LP、CD、iPOD へのダウンロード購入を含めたら、どのくらいあるでしょうか。
アンサンブルも良いけれどやはりアルトサックスのワン・ホーンでの演奏が好きですね。

 
posted by ogu at 11:25| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ | 更新情報をチェックする

2010年01月14日

チック・コリアのリターン・トゥ・フォーエヴァー

PCの話題ばかり続いているので、好きなジャズの話題もちょっと。

WOWOW の JAZZ LIFE でチック・コリアのリターン・トゥ・フォーエヴァーが取り上げられていました。
チック・コリアというピアニストの名前は、1968年にハービー・ハンコックの代わりにマイルス・ディヴィスのグループに加入をした頃に最初に知りました。
あの頃、マイルス・ディヴィスは「イン・ア・サイレントウェイ」とか「ビッチェズ・ブルー」などのエレクトリック・サウンドに傾倒していたので、チック・コリアもエレクトリック・ピアノの演奏ばかりでした。

その後、急に「サークル」で、ものすごく前衛的な演奏をした後で、急に「リターン・トゥ・フォーエヴァー」というグループを組んで、とてつもなく優しいきれいな旋律の演奏をしはじめたので、当時は驚きました。

リターン・トゥ・フォーエヴァーというグループは1971年にベースのスタンリー・クラークと組んで作ったグループで最初はアイアート・モレイアとかフローラ・ピュリムとかのブラジル系のミュジッシャンが入っていてラテン系のいわゆるフュージョン・ジャズでした。
「リターン・トゥ・フォーエヴァー」という題名のカモメの写真が入ったアルバムとか、その次に出た「ライト・アズ・ア・フェザー」は良く聞きましたね。

リターン・トゥ・フォーエヴァー.gif

解散をした後は、また変って「アコースティング・バンド」に変りました。私はこの時期のアコースティックのスタンダード・ジャズを中心とした演奏も好きでしたね。

WOWOWの 放送では、2008年のモントルー・ジャズ・フェスティバルでのライブが中心でした。
チック・コリアは 35年ぶりにリターン・トゥ・フォーエヴァーを再結成して昔の曲の演奏をしたけれど、観客がみんな曲を覚えていてくれて楽しかったというようなコメントをしていました。
再結成のグループは、最初から一緒だったスタンリー・クラーク(b)と、レニー・ホワイト(ds)が参加した第3期のメンバーです。
演奏テクニックは昔から素晴らしいし、アバンギャルドな演奏の時代もありましたけれど、本当はアコースティック演奏が基本のハッピーなリターン・トゥ・フォーエヴァーのような演奏が好きなのかも知れないですね。
しかし、チック・コリアも太ったなぁ。
インタヴューでは、ジャズのビジネスにもちょっと触れていて、大会社によるレコード販売から、インターネットによるダウンロードに移行していることを高く評価していました。
posted by ogu at 11:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ | 更新情報をチェックする

2010年01月01日

世界は日の出を待っている - オハイオ・ユニオン・コンサートのジョージ・ルイス

今回のジルベスター・コンサートのカウントダウンの「ジュピター」は時間ぴったりに2010年になりましたね。
今、新年最初の「美しく青きドナウ」が終わったところです。

中学の頃、私の実家は中華料理店でしたが、毎年大晦日は、店を洗って新年を迎えるのが習慣になっていました。
床を掃除するために、そばにポータブル・ラジオを置いて聞きながら水洗いをしたテーブルや椅子を店の外に並べたものでした。
ポータブル・ラジオからは、ケネディの「自由への賛歌」という演説をサンプリングしてコーラスを付けた音楽が流れていたから 1963年でしょうね。
あれはケネディが「Together !」と話し出すとコーラスが「Together..Together...Together」と歌を付けケネディーが次のフレーズになる「Let us explore the stars」と続くのですが、曲がきれいで好きでしたね。

で、そのときに、続いて「世界は日の出を待っている」という曲が2曲続けて放送されました。
新年を迎えるのにふさわしい曲ですね。

レス・ポールとメリー・フォードの演奏+歌と、ジョージ・ルイスがオハイオ・ユニオン大学で演奏をしたものでした。
レス・ポールはエレクトリックギターをギターメーカーのギブソンと共同開発をしたので有名ですが、演奏もいいですよ。
当時結婚をしていたメリー・フォードのボーカルとのデュオで一世を風靡しました。
「世界を日の出を待っている」のほかにも「バイァ・コンディオス」「テネシーワルツ」「モッキンバード・ヒル」などは良く聞きました。
エレキギターとメリーのボーカルがお互いにハモったり、絡みあう明るい演奏で好きでした。iTunes Store にあったので iPOD にダウンロードをしてあります。レス・ポールは2009年8月に94歳で亡くなりましたが演奏の画像が、You Tube にもアップされています。

オハイオ・ユニオン.gif

オハイオ・ユニオンDisk.gif

でも、「世界は日の出を待っている」といえば、やはり ジョージ・ルイスが1954年にオハイオ州立大学で演奏をしたものです。
ジャズといっても初期のディキシーランド・ジャズで、ジョージ・ルイスのクラリネットのメロディー・ラインにローレンス・マレロのバンジョーが素晴らしいんです。
「マレロのサンライズ」と言われた6分以上のローレンス・マレロのバンジョー・ソロは、当時、携帯ラジオで聞いていてもわくわくしました。
この時の演奏が「ジャズ・アット・オハイオ・ユニオン」でLPも復刻版がでたときに買って今も大切に持っています。
このLP2枚組はスウィング・ジャーナル推薦のゴールデン・ディスクで、幻の名盤ブームを引き起こしました。
LPは、一時3,000枚以上持っていたのですが、今は整理をしてしまい300枚しか残っていませんが、紹介をしたいものもあるので、また別の機会に。
ラベル:LP
posted by ogu at 00:12| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。